「下肢静脈瘤」とは?
 足の血管がボコボコとふくらんできたり、足のむくみやだるさを引き起こす病気です。
 足に流れた血液が心臓に戻るための血管が「静脈」ですが、この静脈が逆流してしまい、足に血液が溜まってしまうのが『下肢静脈瘤』という病気です。
 足のむくみや倦怠感のほかに、足がつったり湿疹ができたりすることもあります。
 女性に多い病気で、立ち仕事、出産、遺伝が原因で起こるといわれています。立ち仕事を続けたり、歳をとるにつれ、徐々に静脈瘤は進行します。
 放置している方が非常に多いのですが、適切な治療を行うことで、足の健康を回復できる病気です。
 当院では、血管外科を専門とする医師による診察・治療を行っております。


 当院の下肢静脈瘤外来では、まずドップラー血流計(上図)による検査を行い、逆流の有無を調べます。この検査のみでおおむね診断が可能ですが、患者さんによっては、超音波検査やMRI検査を行います。また、手術予定の患者さんには、静脈造影検査を行うことがあります。
 下肢静脈瘤の検査、治療法
 治療法には、圧迫治療、硬化療法、手術治療があります。

 「圧迫治療」は弾性ストッキングで圧迫する治療法で、足のむくみや倦怠感の改善に非常に効果的です。しかし、静脈瘤が治るわけではありませんので、弾性ストッキングを脱ぐとまた静脈瘤が現れます。

 「硬化療法」は、静脈瘤に薬剤を注射して固めてしまう方法です。クモの巣状にモヤモヤした静脈瘤や、細い静脈瘤にはとても効果的です。
 しかし、硬化療法単独では、病気の根本原因(逆流)を治していませんから、将来再発してしまう可能性がとても高くなります。

 再発率を低く抑えるためには、手術でしっかりと逆流を止める必要があります。

 「手術治療」には、「高位結紮術(静脈をしばる手術)」と「静脈抜去術」があります。詳しくは、下記の「日帰り手術について」をお読み下さい。
日帰り手術について 弾性ストッキング
コンダクターについて
 術法には、主に『静脈抜去術(ストリッピング手術)』と『高位結紮術』があります。
 静脈抜去術は、逆流している静脈内にワイヤーを通し,静脈を引き抜く手術です。下肢静脈瘤の治療法として100年以上前から行われている手術法で、最も再発率の低い確実な治療法です。
 高位結紮術は、局所麻酔下に逆流のある静脈をしばる手術です。膝の裏の静脈が逆流している場合を主な適応としております。
 当院では、静脈抜去術(ストリッピング手術)を主に行っております。かつて、静脈抜去術は、全身麻酔や下半身麻酔で行っていたため、数日〜1週間程の入院が必要でした。しかし当院では、静脈麻酔という方法を導入することで、日帰りでの静脈抜去術が可能となりました。静脈麻酔は安全性が高く、体の負担も軽い麻酔法です。
 また、手術法の改良により、出血・痛みなどの合併症を低率に抑えることが可能となっております。
 弾性ストッキングを着用される場合、体に合ったサイズを用いなければ十分な効果が得られません。当院外来には「弾性ストッキングコンダクター(日本静脈学会認定資格)」がおりますので、お気軽に御相談下さい。
手術件数
 平成18年:168肢
 平成19年1月〜6月:98肢
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